子供はわかってあげない

子供はわかってあげない  著者 田島列島

やわらかな印象の絵と、人間の感情の揺れ動きの描写、独特な言い回しによって、リアルとシュールとギャグ(とラブコメ)の洪水のような雰囲気が売りの漫画家の漫画家・田島列島先生の初の連載作品。週刊モーニングにて2014年ごろに短期連載されていた。上下巻で全2巻。

2020年8月現在、この人の単行本は連載中の「水は海に向かって流れる」、この「子供はわかってあげない」、この作品より古い短編をまとめた「ごあいさつ」がある。「子供」の話は、水泳部女子が探偵に実の父親捜しを依頼するところから始まる。父親は見つかるのだが、なにやら特殊な状況の人間らしく、会えたから終了、とはいかない。長年会っていなかった父娘の微妙な距離感と男女の関係がたまらなく面白い。

好きな言葉は「真水をくらってくる」 下巻73ページ